ロックレリア神戸旧居留地劇場


ファッション業界にも、構造変化が起きている。
変化分析にあたって消費者の意識変更を読む。
消費心理を読むには、消費者環境を考える。
流行は精神的に自立できず、何かに依存しながら、しかも同時にその自己感情が注目・特殊性を求めている人々の場所である。社会的地位の違いから、女性が男性よりも流行に強い愛着を示す。女性の社会的地位は大きく変わり、男女が対等になったとは一概に言えず、しかしオピニオンリーダーと言える女性が増えた事により、ファッションの位置付けが変わりました。

19~20世紀に生きた女性にとってファッションは、「衣服」そのもので自分を表現する極めて重要な手段でした。21世紀の今日、大多数の女性が仕事に従事し、また就業前の女性も将来の自立に備え、様々な能力を身につけ心身を磨くと言った時代になり、女性の価値観も多様化しています。

高級ブランドは様々な自己投資をしても余りある豊かさを表現する手段になるのかもしれません。

また定番的デザインのブランドに対する人気の背景を考えると「セレブ」という概念が「キャリアウーマン」を超えた憧れの対象として位置付けられ、流行を追わない余裕の表現として定番ブランドが選択されているという事情もあると思われます。

ファッションを巡っては、もう一つの構造変化も見落とせません。女性の解放と言う長期にわたるトレンドは「着るファッション」から「脱くファッション」へのシフトをもたらしつつあるのかもしれません。エステを始めとする身体磨きは、意識の革命でした。「着飾る」事から「見せる身体」への転換を示し、性の解放は美しい肉体の獲得を大きな目標として女性の価値観に埋め込まれる事と言えます。

当社も、環境意識や女性の社会的地位の変化と言った構造変化を受けて、新時代の幕開けと捉え、「ロックレリア劇場」としての作品を発表したいと思います。